仕事から帰ってきたら、妻(夫)が子供を連れて家を出て行ってしまった
このような場面に遭遇した場合、慌ててしまい、どうしたらいいか分からなくなってしまうものです。
本ページでは、「配偶者が出ていってしまったときに行うべき4つの行動」、「絶対にやってはいけない2つのこと」を記載しました。
まずは一呼吸を置いて、本ページを読み、今後のことに備えてください。
まず行うべき4つの行動
① 置き手紙、居場所を確認する
別居に際して、置き手紙を置いていくことは少なくありません。
その内容も、別居することだけが書かれた簡単なものから、別居に至った原因が記載されたものまで様々です。
中には、弁護士名義で作成された通知書面が置かれていることもあります。
まずは、冷静に内容を確認しましょう。
置き手紙がない場合、事故などに巻き込まれた可能性がありますので、居場所を確認しましょう。
妻(夫)、親族に電話をした結果、居場所が分かれば問題ありません。
しかし、離婚を望んで別居を開始した場合、連絡が取れないこともあるでしょう。
また、連絡が取れたものの、居場所を教えてくれないこともありますが、無理に居場所を聞き出そうとすることは控えるべきです。
② 別居の原因を考えてみる
置き手紙を読むことで別居の原因が分かることもありますが、そうでない場合は別居の原因を考えてみましょう。
別居の原因が自分にある場合、謝罪することを検討します。
謝罪は、話し方や言葉の選び方によっては、かえって感情がこじれてしまう可能性があります。
謝罪をする前に、どのように謝るかを整理したほうがいいでしょう。
別居の原因がまったく分からない場合、話しを聞いてみて原因を聞くのが直接的です。
しかし、直接話を聞いても、別居の原因をストレートに話すことには抵抗を覚える方が少なくなく、話を聞いてみたものの、よく分からないということは珍しいことではありません。
また、別居の原因を聞いた結果、感情的になって喧嘩となってしまい、かえって感情的にこじれてしまったということもあり得ます。
このような心配がある方は、第三者の立ち会いのもとで話し合いをすることを検討してみましょう。
③ 離婚条件や婚姻費用について請求がある場合は弁護士に相談する
別居をした場合であっても離婚が成立するまでの間は相手や子どもの生活費を支払う必要があります(婚姻費用といいます)。
婚姻費用の金額は、原則として夫婦それぞれの収入額によって決まります。
また、離婚条件として
・親権
・財産分与
・養育費
・慰謝料
・面会交流
について条件が提示されることもあります。
婚姻費用の金額や離婚条件を判断することは簡単ではなく、安易に条件を了承してしまうと、後々後悔することにもつながります。
具体的な請求がされているような場合は、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。
④ 今後どうしていくかを考える
離婚を切り出された場合、大きく「離婚をする」、「離婚をしない」の選択を検討する必要があります。
また、子どもを連れて出て行かれてしまった場合には、離婚の話はともかく、子どもと会うことを優先的に考えなければならないこともあります。
自分にとって、最も優先すべきことは何かを考えた上で、今後何をしていかなければならないかを考えてみましょう。
「離婚は絶対拒否したい」、「離婚には応じてもいいが、経済的な条件は譲りたくない」、「何よりも子供に会わせてほしい」など、人それぞれ大事にする部分は異なります。
このあと解説しますが、別居時の局面では、絶対に行ってはいけないことがあり、対応を誤れば取り返しのつかない問題となりかねません。
自分がどうしたいかを決めたら、迷わず弁護士に対応を相談しましょう。
絶対にやってはいけない2つのこと
ここまでは、まず行うべき行動について見てきましたが、逆に絶対にやってはいけないことについて解説していきます。
突然の別居という状況でパニックになってしまうと誰しもが行いかねないものですので注意しましょう。
① 言い争いを避ける
電話で帰宅するよう求めた場合などに言い争いとなってしまうことがありますが、逆効果です。
冷静に話をするよう努め、どうしても冷静に話をできそうにないのであれば少し時間を置きましょう。
② 子供を連れ返す
子供のことが心配なあまり、子供を連れ返そうとする方がいますが、大きなリスクを伴います。
別居中の子供を相手に無断で勝手に連れ返した場合、その後に続く親権・監護権・面会交流の問題で大きなマイナス事由となってしまいます。
実際にあった事例ですが、子供を連れ返してしまったことが面会交流の障害となってしまい、離婚後数年経っても子供との面会が許されなくなってしまった方もいらっしゃいます。
もっとも、「子供が心配」、「子供と早く会いたい」という感情は当然のものですので、「面会交流を求める調停・審判」、「子の監護者の指定と引き渡しを求める審判・仮処分」を申し立てることを考えるべきです。
特に、監護者の指定は、時間が経過すればするほど、子供が別居後の環境に置かれる時間が長くなってしまうので、可能な限り速やかに対応すべき問題です。
監護者指定の仮処分手続では、膨大な事情を短時間で処理していく必要があり、弁護士なしで対応することは極めて困難です。
よって、監護者指定や面会交流の問題にお悩みの方は早急にフォレスト法律事務所までご相談ください。
▲ 相手の弁護士への連絡はケースバイケース
別居に際し、相手の弁護士から連絡が来ることがあります。
用件はケースバイケースですが、「離婚の意思」や「慰謝料の支払い」など、今後争いになりそうな事情については、注意が必要です。
何も準備することなく、弁護士に回答してしまうと、その回答を前提に物事が進んでしまいます。
自分での判断が難しいと感じたら弁護士に相談した上で回答することが無難と言えるでしょう。
弁護士への相談をお勧めする理由
行うべき行動、やってはいけない行動について解説してきました。
どれも当然のことと思われるかも知れませんが、突然の別居の場面に立ち会うと冷静に対応することは簡単ではありません。
それまで離婚を想定していなかった方にとっては、自分が今後どうしたいのかを把握することも難しいです。
また、どうしたいのか分かったとしても、どこからどうしていいのかも分からないはずです。
また、離婚のご相談をお受けしていると、特にお子さんの問題で「もっと早く相談してくれていれば何とかなったのに」と思うケースに出会うことがしばしばあります。
子供を連れ去れらてしまった方には、特に強く弁護士にご相談されることをお勧めします。