ご相談内容
【ご依頼者】Aさん(30代男性)
【家族構成】妻Bさん、子2人
Aさんは、妻Bさんとの間で離婚の協議をしており、Bさんは2人の子どもを連れて別居を開始しました。
Bさんは、財産分与として法外な金額を求めていたため、離婚協議は進展が見込めなかったことから、フォレスト法律事務所に相談されました。
離婚の問題の他、別居した子どもとの面会交流の問題もあったため、離婚調停と同時に面会交流調停を申し立てることとしました。
弁護士の活動
① 離婚調停
離婚調停では、財産分与が主な争点となりました。
Bさんの主張する金額は法的に認められる金額を大幅に超えるものでしたので、適正額を支払うことで合意が成立しました。
② 面会交流調停
Bさんは、心情的にAさんと子どもが面会することを受け入れられないと言って、面会交流を拒絶しました。
しかし、裁判所での試行面会を行い、子どもはAさんとの再会を心から喜んでいました。
Bさんも、子どもがAさんと楽しそうに遊んでいる様子を見て心境が変わったのか、一転、面会交流に応じると言い、調停が成立しました。
③ コロナによる面会交流の中止
調停は無事終了し、面会交流が実施されました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、Bさんは面会交流の方法でテレビ電話で行いたいと言いました。
Aさんも当初はテレビ電話の面会交流に応じていました。
しかし、Bさんがテレビ電話での面会に協力的でなかったため、テレビ電話での面会交流が約束の時間よりも大幅に早く終わってしまうことが続きました。
Aさんは、調停の約束通りに直接の面会交流をするよう求めましたが、Bさんはコロナを理由に面会に応じませんでした。
④ 履行勧告
弁護士は、Aさんから相談を受け、家庭裁判所に履行勧告の申し出をしました。
裁判所は、Bさんに連絡をし、面会交流を実施するよう促しましたが、Bさんはコロナの感染が落ち着くまでは面会交流に応じられないと譲りませんでした。
そこで、Aさんは再度面会交流調停を申し立てることにしました。
⑤ 再度の面会交流調停
調停では、「コロナ禍において、どのような面会交流を実施するか」という点が協議されました。
結果、面会交流の場所、テレビ電話を実施する際の条件を詳細に詰め、調停は成立しました。
本件のポイント
コロナ禍での面会交流について
コロナ禍で面会交流をどのように行うかという点は大きな問題です。
テレビ電話での面会交流は外出を避けられる点で有用ですが、子どもの年齢によっては長時間の通話に耐えられないなど、実施には工夫が必要となります。
履行勧告、再度の面会交流調停
本件では、調停の取り決めが守られないことから履行勧告を申し出ました。
履行勧告は、費用がかからず、迅速に申し出ができるメリットがありますが、強制力がないという弱点もあります。
再度の面会交流調停では、1度目の調停で見つからなかった不具合を協議することができました。再調停は心理的にも負担のかかるものですが、協議が難航している場合には有効な手続となります。