【婚姻費用・養育費】私立学校・大学の学費など、教育費の考え方

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婚姻費用・養育費を請求する際、子どもの学費をどのように考えるべきかという問題は重要です。

私立大学の学費は年間100万円以上、私立の医学部ともなると卒業までに数千万円の学費がかかります。

子どものことを考えると進学させてあげたいと考えているとしても、金額が大きいことから問題が紛争化することも多々あります。

このページでは、子どもの私立学校、学習塾、大学などの教育費について、婚姻費用や養育費の算定に当たってどのように考慮されるのかを解説していきます。

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目次

算定表に含まれる教育費は?

婚姻費用・養育費の金額は、算定表により決まることが一般的です。

では、この算定表で決まった婚姻費用・養育費の中に含まれる教育費はどのようなものでしょうか。

算定表では、公立中学校、公立高校に関する教育費が織り込まれています。

よって、公立中学・高校の教育費については、算定表に加算することはできません。

逆に、私立学校の費用、塾の費用などは考慮されていないため、これらの費用が発生する場合にはその支払いを請求できるか問題となります。

私立学校の費用

私立の小学校・中学校・高校は、全ての子どもが進学するものではありません。

よって、私立学校の費用は当然に支払いを請求できるものではなく、費用を負担させるだけの合理性が必要となります。

例えば、婚姻費用・養育費の支払義務者が私立学校の進学を承諾していた場合、義務者が費用の一部を負担することは合理的であるといえます。

また、義務者が承諾していないとしても、義務者の学歴、収入、地位などから、私立学校へ進学することが合理的であると考えられる場合にも、費用の分担を請求することができます。

分担を請求できる額ですが、既に算定表では公立学校の教育費が織り込まれていますので、私立学校と公立学校の費用の差額の範囲となります。

塾の費用

学習塾の費用は、私立学校と同じく、義務者が承諾している場合や義務者の学歴・収入などから見て、負担することが不合理でない場合には分担の対象となると考えられます。

学習塾の通学については、通塾の必要性も考慮されます。

例えば、通学している高校の大学進学率が高い、学校の授業だけで受験対策をすることができず学習塾に通学することが前提となっている、受験期にあるなどの事情は通塾の必要性が大きいと判断させる事情となるでしょう。

また、発達障害などが理由で学校の授業だけでは学習することが困難といえる場合にも、適切な範囲で費用を分担すべき場合が出てくることもあります。

大学の学費

近年、大学への進学率は6割程度まで上がっていますが、高校への進学率が9割以上であることと比較すると、全ての子どもが進学するという状況にはなっていません。

そして、大学に進学するかどうかは両親の経済力・学歴・教育観が大きく影響するといえます。

そこで、義務者の収入、学歴、社会的地位等から、大学進学をすることが通常といえるかどうかが考慮要素となります。

また、義務者が大学進学に対し、どのような態度を示していたかも重要です。

例えば、義務者自身の最終学歴が高校卒業であり、義務者が子どもの大学進学に反対しており、収入面からしても大学の費用を負担できないようなケースであれば、費用の分担を求めることは難しいでしょう。

また、大学進学すること自体は反対しないが、奨学金を受けたり、子どもがアルバイトをして生活費を稼ぐことが条件とされているようなケースでは、奨学金やアルバイトの金額を考慮して、費用の分担の可否を決めることになるでしょう。

このように、大学の進学費用については、親の資力、学歴、進学に対する態度など複数の事情を基に、費用の分担額が判断されます。

医学部・歯学部・薬学部、大学院の学費

医学部、歯学部、薬学部、獣医学部は6年制であるため、4年制大学よりも必要な費用は大きくなります。

これら高額な学費についても、親の資力や学歴、進学への態度等の個別事情を考慮し、費用の分担が相当か否か判断されることとなります。

まとめ

ここまで見たように、算定表で考慮されない教育費は、個別の事情を考慮し、義務者が分担すべき金額が判断されることになります。

実際に、どの程度の金額を分担すべきかについては、多くの事情を基に判断をする必要がありますので、判断に悩まれる方はお気軽にご相談頂ければと思います。

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この記事を書いた人

フォレスト法律事務所代表弁護士。
弁護士資格の他、ファイナンシャルプランナー、証券外務員一種、宅地建物取引士の資格を保有しており、不動産を含む経済的な問題を得意としています。
離婚・男女問題について、豊富な経験をもとに分かりやすく解説します。

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