DV被害者が弁護士の介入によって、短期間で離婚を実現したケース

目次

ご相談内容

【ご依頼者】Xさん(20代・女性) 【ご家族構成】夫Yさん

Xさんは、結婚後まもなく夫Yさんの激しい暴力に悩まされていました。Yさんの暴力は次第にエスカレートし、これ以上一緒に暮らすことは難しいと判断したXさんは、夜逃げ同然で遠方の県から名古屋へ避難し、弁護士に離婚手続きを依頼しました。

友だち追加

弁護士の活動

① 証拠の確保

Xさんが相談に訪れた時点で、暴力の傷は治りかけの状態でした。そのため、傷があった証拠として写真を撮影しました。また、LINEには暴力を認めるやり取りが残っていたため、削除される前に記録化しました。後にYさんが暴力の事実を否定した場合に備え、証拠を確保しました。

② 通知書の発送

弁護士からYさんに対し、離婚を求める通知書を発送しました。Xさんは早期の離婚を望んでいたため、離婚の成立だけに焦点を当て、離婚を拒否した場合はすぐに調停を申し立てると通告しました。これにより、協議が不必要に長期化することを防ぎました。激しい反論が予想されましたが、幸いにもYさんが離婚に同意したため、協議離婚がスムーズに成立しました。

弁護士が依頼を受けてから離婚が成立するまでの期間は半年程度でした。

本件のポイント

DV離婚で弁護士が関与すべき理由

    DVがあるケースでは、夫婦間で対等かつ安全に話し合うことは難しく、第三者の関与が不可欠です。DV被害について相談できる公的機関や団体はありますが、具体的に代理人として活動できるのは弁護士だけです(書類作成しかできない司法書士や行政書士は代理人として活動できません)。

    本件では、Xさんが避難して間もなく法律事務所を訪れ、対応を弁護士に任せたことで早期に離婚を実現することができました。

    請求する範囲を絞る

      本件では、DVの証拠がしっかりと確保されていたため、慰謝料の請求も可能でした。

      しかし、Xさんは金銭面よりも早期の離婚実現を重視していたため、慰謝料を請求せず離婚のみを求めることにしました。協議すべき事項を絞ることで、協議の期間を短縮し、早期に離婚を実現することができました。

      本件のように、希望する事項や優先度が明確な場合、請求内容を絞ることも重要です。もちろん、状況が変化し長期化する場合には金銭を請求するなど、柔軟に対応することも可能です。

      友だち追加

      この記事を書いた人

      フォレスト法律事務所代表弁護士。
      弁護士資格の他、ファイナンシャルプランナー、証券外務員一種、宅地建物取引士の資格を保有しており、不動産を含む経済的な問題を得意としています。
      離婚・男女問題について、豊富な経験をもとに分かりやすく解説します。

      目次