試行面会で後悔しない!目的・流れ・注意点を徹底解説

試行面会

面会交流の調停や審判において、「試行的面会交流」を実施することがあります。

これは、裁判所内で試しに行う面会交流のことをいいますが、実際にどのように行うかはイメージしにくいでしょう。

そこで、このページでは、試行的面会交流を行う場合の流れや注意点について解説していきます。

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目次

試行的面会交流とは?

家庭裁判所の調査官が調査として行う「お試し」の面会交流

試行的面会交流とは、面会交流が争点となっている調停や審判などの手続きの中で、家庭裁判所の調査官が立ち会い、試験的に面会交流を行う制度です。これは裁判官の調査命令によって実施される調査の一環であり、単なる面会交流のサービスではありません。

交流場面観察との違い

試行的面会交流と似た手続きに「交流場面観察」があります。

交流場面観察は、親子の関係性や親の子に対する配慮姿勢を把握することが主な目的です。一方、試行的面会交流は、それに加えて当事者の不安軽減や交流再開の検討材料収集など、より目的が幅広いとされています。

そのため、調査官の関与も、交流場面観察では観察に徹することが多いのに対し、試行的面会交流では今後のために調整的に活動する側面が強くなります。

なお、実務上両者は厳密に使い分けられないこともあります。

試行的面会交流の3つの目的

試行的面会交流には主に以下の3つの目的があると考えられています。

  1.  【導入・調整】 円滑な面会交流の実現

面会交流自体は受け入れつつも、相手への恐怖心や不信感から不安を抱いている親をサポートする目的があります。

調査官が、助言やサポートをしながら、円滑に面会交流ができる状況へと導き、調整を行います。

  1. 【妥当性の判断】 今後の面会交流の可否や方法を検討する

同居親が面会交流を拒否している場合などに、今後の面会交流の実施が妥当かどうか、子の福祉にとって望ましいかを判断する目的があります。

調査官は交流の様子を観察し、継続的な面会交流が可能か、どのような配慮が必要か(親の立ち会いの要否、第三者機関利用の適性など)を検討します。

  1. 課題の整理:今後の面会交流に活かすため

試行の場で明らかになった状況から、今後の面会交流を実施する上での課題を整理することも目的の一つです。

例えば、子の様子から体を動かせる場所の方が適していると判断したり、別居親の不用意な発言があれば禁止事項を取り決める必要性を検討したりします。

試行的面会交流の具体的な流れ

個々の事案によって、試行的面会交流の流れは異なりますが、概ね以下の流れを取ります。

STEP
裁判官(調停官)による調査命令

当事者が希望すればすぐに実施されるわけではなく、調停委員会が必要性を判断し、担当の裁判官(調停官)も必要であると判断した場合、家庭裁判所調査官に対して「調査命令」が出され、実施することが決まります。

STEP
家裁調査官による事前の個別面接

実施に先立ち、調査官が両親や子どもと個別に面接を行います。

親に対しては当日の段取りや注意事項の説明が行われると共に、実施に当たり不安な点や要望が確認されます。

子どもに対しては不安を和らげ、調査官との信頼関係を築くことを目的とした面接が行われます。

STEP
当日の実施(場所とタイムスケジュール)

平日の日中に、家庭裁判所内の児童室(プレイルーム)内で行われます。

時間は30~45分程度のことが多いです。

当日は調査官が立ち会い、実施時の様子を観察します。

STEP
調査報告書の作成・通知

試行的面会交流が終わると、調査官はその様子や結果を「調査報告書」にまとめます。

この報告書には、面会交流の是非や実施する上での留意点など、調査官の専門的な意見が記載されます。

この報告書は裁判官(調停官)宛てに作成されるものですが、当事者も閲覧や謄写することで内容を確認した上で、その後の調停手続に臨むことになります。

試行的面会交流を成功するための注意点と対策方法

試行面会をするにあたって注意すべき点は以下の点です。

事案によって、注意すべき点は複数ありますが、どのケースであっても当てはまるものを挙げています。

① 面会交流「前」の準備と心構え

当日のシミュレーションを行う

久しぶりに子どもと対面することになりますので、想定していた通りに進むとは限りません。

あらゆる事態を想定しておき、その場で慌てないように準備しておきましょう。

時間を厳守する

試行面会は平日の日中に行うため、大半の方は仕事の調整が必要となるでしょう。

時間には余裕を持って、集合時間に遅れないようにしましょう。

面会交流「中」の子供との接し方とNG行動

子供のニーズを最優先する

久しぶりに会った子どもとの大事な時間ですので、自分がしたいことは沢山あるはずです。

しかし、ここは気持ちを抑え、子どもに合わせ、何をしたいのか、何をしたいのかを感じ取ってあげて、子どものペースを尊重しましょう。

(元)配偶者と和やかに接する

調査官は(元)配偶者への言動も見ています。

たとえ無視されても、理想的な態度を見せることが良い評価につながります。

調査官の指示に従う

写真撮影や録音、許可のないおもちゃの持ち込みなどは通常禁止です。

調査官の指示に違反すると、面会が途中で終了になる可能性もあります。

(元)配偶者の悪口、現在の状況を細かく尋ねることはしない

積もり積もった感情から、(元)配偶者の悪口やネガティブなことを言ってしまいたくなることもあるでしょうが、これを聞かされる子どもの心情を考えれば、行っていいことはありません。 子どもを不安にさせるような言動は避けましょう。

また、心配のあまり、現在の様子を聞きたくなることもありますが、質問された子どもは「どこまでこたえて良いんだろう」と戸惑ってしまいます。

試行面会は、「子どもとの対面を楽しむ場」と割り切り、その時間を充実したものにすることに専念する方が得策ではないかと思います。

面会交流「後」に伝えるべきこと

面会交流後、調査官から感想を尋ねられることがあります。その際は、自分の満足感よりも、その日の子どもの様子を踏まえ、子どもを思いやる気持ちが伝わる感想を述べることが重要です。

これまで沢山の試行的面会交流に立ち会ってきましたが、良い意味、悪い意味、両方で想定外の面会となったことがありました。

良い方で想定外の場合は問題ありません。

悪い意味で想定していない事態となった場合でも、慌てて挽回しようとせず、落ち着いて子どもと向き合うことが重要です。

試行的面会交流は一回切りの勝負

調査報告書は、その後の手続きを進める上で極めて重要な資料となります。

特に、調停が不成立となり審判に移行した場合、裁判官の判断は調査官の意見どおりとなることが大半であり、この試行的面会交流によって結果がほぼ決まってしまうと言っても過言ではありません。

また、試行的面会交流は、原則として1回しか実施されません。別居親が「失敗した」と感じても、「追試」のような形で2回目を実施してもらうのは非常に困難です。

まとめ

初めての試行的面会交流は、同居親、別居親とも緊張して迎えることが通常です。

特に、長期間会っていない子と久しぶりに会う方にとっては、緊張しないことはないでしょう。

あくまで試行的面会交流は裁判所の調査の一環ですが、子どもと交流できる場面であることに変わりはありませんので、十分に準備をした上で、純粋に楽しい時間を過ごしてほしいと思います。

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この記事を書いた人

フォレスト法律事務所代表弁護士。
弁護士資格の他、ファイナンシャルプランナー、証券外務員一種、宅地建物取引士の資格を保有しており、不動産を含む経済的な問題を得意としています。
離婚・男女問題について、豊富な経験をもとに分かりやすく解説します。

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