ご相談内容
【ご依頼者】Aさん(40代男性)
【家族構成】妻Bさん、子2人
Aさんは、妻Bさんとの性格の不一致により、子ども2人を置いて家を出て別居を開始しました。
結婚10年目の決断でした。
Aさんは別居後間もなく、婚姻前に交際していた女性から連絡をもらいました。
Aさんは、何の下心もなくこの女性と食事に行きました。
女性は、職場で酷いパワハラにあったことを理由に会社を辞めたこと、家賃を払うお金もなく家を引き払って貯金を切り崩して生活しているが、そろそろ貯金もなくなってしまうという境遇を聞かされました。
Aさんは、純粋に女性が可哀そうになってしまい、別居後の自分の家に仕事が見つかるまでの間、住むことを提案。女性との同棲を始めました。
Aさんは、女性と性的な関係を結ぶことはありませんでした。
しかし、Bさんが依頼した調査会社により、Aさんが女性と同棲していることが発覚しました。
Bさんは、Aさんが女性と同棲するために別居したものと確信し、離婚調停と婚姻費用調停を申し立てました。
Aさんは、調停の対応をフォレスト法律事務所に依頼しました。
弁護士の活動
初めてAさんのお話をお聞きした際、私もBさん同様、Aさんが女性と同棲するために別居をしたのではないか、との心証を抱きました。
しかし、Aさんと長時間お話し、女性とのやり取りを見た限り、Aさんが嘘を付いているようには思えませんでした。
しかし、状況的にBさんがAさんを疑うことは無理もありません。
また、Aさんが誤解を招くことをしたことは間違いありません。
そこで、最初の目標を「Aさんが不貞行為を行っていないことをBさんに理解してもらう」ことに絞りました。
詳細を記述することは控えますが、真摯に状況を説明し、Aさんが本当に不貞行為を行っていないこと、女性との間では何も関係がなかったこと、既に女性は家から出て行っており関係を絶っていることを説明したところ、Bさんから理解を得られました。
本件のポイント
一般的に、異姓と同棲している場合、不貞行為があったと認定されることが通常です。
法律的な話しを離れて、社会常識で考えた場合、異姓と同棲しながら「何もなかった」という話しが通らないことは明らかです。
実際、私がAさんの話しをお聞きしたときも、不貞行為を行っているだろうと思っていました。
しかし、Aさんと長時間お話するうちに、Aさんの人柄も分かりましたし、Aさんと女性とのやり取りを見ると本当に不貞行為を行っていないと思うようになりました。
一般的に、このような状況で疑惑を晴らすことは極めて困難ですが、実際に起こったことを可能な限り具体的に説明したことと、Aさんの人柄をBさんが理解していたこと、Aさんが真摯にBさんと子供のことを考えていることが伝わったことで、不貞行為の疑惑は晴れました。
本件は特殊な事情が積み重なったものですが、同様の事情で悩まれている方の参考になると思いご紹介しました。