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弁護士コラム

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労働審判・裁判のメリット/デメリット

 

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 残業代請求は、通常交渉から始まりますが、交渉が決裂した場合、労働審判又は裁判手続を選択することになります。 労働審判と裁判手続のどちらの制度を選択すべきか、というご質問を多くいただきますので、以下のとおり各手続きのメリット/デメリットを整理します。

 

 

労働審判とはなにか

 

労働審判イメージ写真

 

 労働審判とは、労働関係に関する問題について、両当事者(労働者側、使用者側)と裁判官・審判員2名が集まって話し合いを行い、労働紛争を解決する手続です。

 

 話し合いによる解決を目指し手続きが行われますが、話合いによる解決ができない場合には、労働審判委員会が妥当と考える解決(労働審判)が出されることになります。

 

 労働審判は、裁判所の中で行う手続きである点で交渉手続と異なります。 また、裁判手続と違い、3期日以内に審理を終結させなければならないとされている点が特色です。

 

裁判とはなにか

裁判イメージ写真

 

 裁判(訴訟)は、当事者双方が法律上の主張を記載した書面と証拠を提出し、裁判所に法律判断をしてもらう手続きです。

 

  実務上は、裁判期日前に書面が提出され、裁判期日では事前に提出された書面を確認するというように、提出された書面を基に手続きが進んでいきます。

 

労働審判のメリット

労働審判イメージ

① 早期の解決が見込める。

 

 労働審判は3期日以内に審理が終結されることが決まっているため、裁判と比較すると早期に解決できる見込みがある点です。

 司法統計によれば、全体の70%程度の事件について、話合いにより解決が実現しています。

 

② 柔軟な解決が可能となる。

 

 裁判と異なり、3期日というタイムリミットがあるため、厳密な審理を行うことは困難です。

 

 このような制限から、大まかに事案を把握し、解決案を導く傾向があるため、ギチギチと証拠を審理する裁判手続よりも柔軟で迅速な解決が可能となります。 

 

③ 裁判所に納める費用を抑えられる。

 

 申立ての費用(申立書に貼付する収入印紙)は、裁判の半額と定められており、裁判と比べると、低い金額に抑えることができます。

 

④ 自分の言葉で考えを伝えられる。

 両当事者が裁判所に出向き話をするため、自分の言葉で事実を伝えることができます。

 

 弁護士に任せきりとするのは避けて、自ら手続に参加し、解決したいという方に向いている手続かと思います。

 

労働審判のデメリット

デメリット

 

① 裁判手続へ移行する可能性がある。

 労働審判手続の中で話し合いでの解決ができず、労働審判が出された場合、両当事者はこの審判に対し異議を申し立てることができます。異議の申し立てがあると、自動的に裁判手続へ移行することになります。

 

 その結果、労働審判を申し立てるよりも、最初から裁判を申し立てた方が早く解決したというケースが出てしまいます。

 

 異議が出るかどうかは、手続が始まってみないと分からないという面はありますが、内容によっては交渉の時点から争いが激しく、異議が見込めるようなケースでは、最初から裁判を提起した方がいいでしょう。

 

② 裁判所に出向く必要がある。

 

 労働審判は話合いの手続ですので、当事者が裁判所に出向いて、話をする必要があります。

 

 審判には、相手方の会社代表者/労働者(従業員)も対面して座っているため、顔を合わさなければならないという心理的な負担があります。審判手続で対面すると言っても、私が過去に見た限り、目の前で暴言を吐かれる等のケースは経験がないため、そこまで不安になる必要はありませんが、「代表者の顔を見ると震えが止まらなくなってしまう」というような状況では、大きなデメリットとなってしまいます。

 

 また、労働審判手続は平日の日中に行われるため、平日にどうしても仕事が休めず対応できないという方にとっても、取りにくい手続といえます。

 

③ 裁判所の判断が大まかなものになる可能性があること

 労働審判は3期日以内という大きな制約があるため、早期解決の反面、判断が大まかになることがあります。 証拠が膨大であり、緻密な読み込みが必要になるケースや主張が複雑なケースの中には、労働審判に適さないものもみられます。 

 また、残業代請求の場合、「労働審判である」という理由だけで、請求金額満額を認めることはできないと言われることがあります。労働審判であるからといって、必ずしも請求した金額を大幅に減額されることはなく、むしろ請求金額の元金以上の労働審判を獲得した事例もありますが、早期解決よりも回収金額を重視するのであれば、裁判手続を選択した方がいいでしょう。

 

裁判のメリット

 

メリット

① 緻密な審理が期待できる

 

 裁判には、3期日以内という指定がありませんので、裁判官は、提出された書面、証拠をじっくり読み込み、判断をすることになります。

 

 証拠が膨大であったり、読み込みが困難であるような場合であっても、時間をかけて検討し判断されるため、緻密な審理が期待できます。

 

② 基本的に当事者が裁判所に出向く必要がない(代理人がいるケース)

 

 裁判は提出された書面を基にやり取りがされるため、代理人がいるケースでは当事者が裁判所に出向く必要はなく、代理人である弁護士のみが裁判所に出廷することになります。

 

 平日に仕事をしており休みが思うように取れない方、相手方当事者と顔を合わせたくないという気持ちが強い方にとっては、裁判所に出向く必要がないという点は大きなメリットとなります。

 

 もっとも、手続が進み、和解ができない場合には、法廷で証言をする(尋問手続)ため、裁判所に出向くことがあります。

 

③ 付加金が請求できる

 

 未払いの割増賃金等がある場合に、裁判所は、未払金の元金とは別に、未払金と同一額の金銭(付加金)の支払いを命じることができるとされています。

 

 これは、元金や遅延損害金とは別に、金銭の支払いが命じられることを意味します。付加金は、裁判所が支払いを命じることによって発生するため、労働審判では付加金の支払いを命じることはできません。

 

 よって、和解が成立した場合は付加金の支払いは命じられません。また、1審の裁判所が付加金の支払いを命じたとしても、会社が控訴し、1審で認められた残業代全額を支払った場合、控訴審では付加金の支払いは命じられません。

 

 このように付加金が支払われるケースは、実際多くなく、裁判手続を取った場合のメリットとなる場合は限定されます。

 

裁判のデメリット

 

デメリット

① 解決までに時間がかかる

 

 裁判期日は原則として1か月~1か月半に1回のペースで実施され、期日を何回も重ねることで解決します。

 事案により解決までの期間は異なりますが、終了まで1年程度の期間がかかります。

 

② 厳格な証明が必要となる

 裁判は、証拠を基に、事実があるかないかを判断するものですので、支払を請求する側(労働者)が証拠を持って、事実があったことを証明する必要があります。

 

 事実を裏付ける証拠が全くないか、少ない場合、請求が認められない可能性があります。

 

労働審判・裁判についてのまとめ

 

 労働審判を選択すべきか裁判手続を選択すべきかの判断は、ご依頼者様が重視すべき点により異なります。

 また、重視すべき点が明確であっても、実際にどちらの方法を利用すべきか、悩ましいケースも少なくありません。

 手続選択の判断に迷われた場合は、弁護士に相談されることをお勧めします。

 

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