遺留分侵害額請求

このような方が対象です

・ 遺言で自分だけ遺産をもらうことができなかった

・ 遺留分を取り戻すためにはどのような手続きが必要かを知りたい

・ 遺留分減殺請求の期限やその期間内に何をすべきかについて悩んでいる

・ 遺留分を請求する通知が届いてしまい、どうしていいか分からない

遺留分侵害額請求」とは、遺産のうち「法律上必ず取得することが認められる財産をお金で支払うよう求めること」をいいます。

そもそも相続は、遺された遺族の生活を維持する意味合いがあります。

一方、人は自分の財産を自由に贈与(生前贈与)したり、遺言で特定の人に財産を移す(遺贈)することも可能です。

例えば、二人兄弟のうち、弟に全部の財産を相続させるという遺言を作ることも可能です。

このように、生前贈与や遺言の内容によっては、優遇される相続人と蔑ろにされる相続人が出てしまいます。

そこで、相続人には最低限の権利(遺留分)を法律が認めているのです。

そして、生前贈与や遺贈によって遺留分を侵害された人が、遺贈等を受けた人に対して、侵害額の支払いを求めることを遺留分侵害額請求と言います。

なお、2018年に民法が改正される以前は「遺留分減殺請求」という名前でした。2019年6月30日までに死亡した場合は改正前の法律に従うことになります。

遺留分の割合

法律上、遺留分が認められるのは、配偶者・子(および孫)・直系尊属(父母、祖父母など)です。兄弟姉妹は遺留分がないことには注意が必要です。

遺留分の割合は、以下のとおりです。

  • 配偶者・子が相続人の場合⇒法定相続分の1/2
  • 親(祖父母)のみが相続人の場合⇒法定相続分の1/3
  • 兄弟姉妹のみ⇒遺留分はなし

遺留分侵害額請求のポイント

遺留分侵害額請求の権利は、遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年で、時効によって権利が消滅してしまいます。

相続の開始は死亡の事実を知った時点で知ることが普通ですが、遺留分を侵害する遺言が死後しばらく経ってから見つかることは珍しくありません。

時効消滅の要件は、あくまで「相続の開始」と「遺留分侵害の贈与又は遺贈」の両方の事実を知ることですので、注意が必要です。

時効までの期間が1年と聞くと長く感じるのではないでしょうか?

しかし、相続人が亡くなってからしばらくの間は慌ただしく、相続の話しを落ち着いてすることはできないでしょう。

落ち着いた頃に、全財産を一部の相続人に全部相続させるような遺言が見つかればショックも大きく冷静に話すことは難しいです。遺留分が問題となるケースでは、もともと相続人間の関係が良くなかったというケースも多く、協議に期間を要してしまう傾向にあります。

このように、色々な事情が重なると1年間はあっという間に過ぎてしまうため、時効については細心の注意をはらう必要があります。

まずすべきは「請求すること」

このように、遺留分の権利は1年という短い時効の制約があるため、請求する側としては権利が時効で消滅しないように行動することが求められます。

遺留分の請求権は相手に支払いを請求した時点で、1年の時効制限の問題はクリアできますので、まずは遺留分を請求しましょう。

法律上、請求の方法は限定されていません。

しかし、請求は相続等を知ってから1年以内に行わなければならないことから、「いつ請求をしたのか」が重要な事実となります。

よって、いつどのような請求をしたのか、後々争いとならないように、配達証明付きの内容証明郵便で通知書を郵送する方法を取ることが一般的です。

どのような通知を送ればいいのか、内容証明はどうやって送ればいいのか、などなど請求するといっても分からないことは多いと思いますので、遺留分の問題に直面された方はすぐにご相談されることをお勧めします。

遺留分侵害額請求の難しさ

遺留分の問題が生じる場面は、「優遇された相続人」と「ないがしろにされた相続人」という構図がはっきり浮かぶため、感情的な対立が激化してしまうことが多いです。

ないがしろにされた側からすると、相手に対する不信感が大きいため、相手の言動全てが疑わしく思えてしまい、遺産隠し遺産の使い込みなどがあるのではないか?などと考えてしまいます。

このような遺留分侵害額請求特有の問題に加えて、「遺産をいくらで評価するのか」、「特別受益があったのかどうか」等、相続共通の問題も出てくるため、解決までにはいくつものハードルを要領よく超えていく必要があるのです。

フォレスト法律事務所でできること

まずは、遺留分の請求を迅速に行い、遺留分の権利が時効で消えてしまわないように確保します。

遺留分の問題では、他の相続の問題と同様、「遺産を漏れなく把握し、適切に金銭評価する」ということが重要となりますので、遺産の種類に合わせて財産調査を行い、過不足なく財産の価値を評価し、遺留分の請求へつなげていくことが可能です。

遺留分の請求は、「交渉(協議)」、「調停」、「裁判」という手続の段階があります。手続が進むごとに費用も時間もかかってしまうため、交渉で解決できるものは極力交渉で解決することを重視する一方、交渉でまとまる可能性が低いと判断されれば調停、裁判での活動も得意としています。

遺留分の問題をご自身で解決することは困難を伴いますので、お悩みの方はフォレスト法律事務所にご相談ください。