不動産(テナント様)

tenant

「物件の取り壊しや建て直しを理由に建物の退去を要求された」、「立退料の提示額が妥当か分からない」等のお悩みはフォレスト法律事務所までご相談ください。

新型コロナウイルスの蔓延により、多くの飲食店やサービス業では苦しい状況が続いています。

このような苦しい状況の中で、安価な立退料を提示され、立退を要求されているとのご相談を受けております。

不必要に不利な条件で立ち退きをする必要はありません。

立ち退きの有無や立退料の妥当性の判断は難しい法律問題ですので、問題に直面されている方はすぐにご相談ください。

立ち退き請求の基本的な考え方

立ち退き請求の基本的な考え方は以下のとおりです。

厳密には、様々な事情を考慮しますが、大枠として以下の点を押さえておく必要があります。

1 立ち退き請求には「正当事由」が必要

テナント契約には、借地借家法という法律が適用されます。

そして、借地借家法28条は、賃貸借契約の更新拒絶や解約の申し入れについては「正当事由」がある場合でなければすることができないと規定しています。

正当事由の存在は、契約書で排除することができません。

例えば、「貸主は、正当事由の有無にかかわらず立ち退き請求をすることができる」、「借主は、貸主の立ち退き請求を拒否することができない」等の条項を契約書に盛り込まれていたとしても

このような規定は法律上(借地借家法30条)無効となりますので、正当事由が存在しない限り、更新拒絶や解約の申し入れはできないこととなります。

ただし、賃貸借契約が以下の契約に当たる場合は、正当事由が必要となりませんので、契約形態をご確認ください。

・ 定期借家契約(借地借家法38条)

契約期間が1年等と決められており、その契約期間が終了すると契約更新がなく契約が終了すると契約書に明記されている契約形態です。

あらかじめ取り壊し期限等が決まっているような物件で、取り壊しまでの期間に割安で賃貸するような場合にメリットのある契約形態となります。

・ 一時使用のための賃貸借(借地借家法40条)

比較的短期間の期限が設けられ、使用目的等が短期間のものであることを想定した賃貸借契約です。

期間の限られたイベントを目的として物件を借り入れるような場合が典型例です。

なお、契約書に「一時使用」と記載されているとしても、法律上「一時使用」に該当するとは限らないため、注意が必要です。

2 「正当事由」はどのような場合に認められるか

正当事由がどのような場合に認められるかについて、法律(借地借家法28条)は

① 借主、貸主が建物の使用を必要とする事情

② 建物の賃貸借に関する従前の経過

③ 建物の利用状況、建物の現況

④ 立ち退き料の支払い

を考慮要素としています。

①~④の要素を見ても、実際のケースでどのような判断となるかの見極めは難しく、膨大な裁判例を基に予測を立てて行く必要があります。

3 立退料の相場は?

「立退料の相場はどれくらいですか?」というご質問を頂くことがよくあります。

このご質問に対する回答は「相場というものはなく、本件で妥当な金額を考える必要があります」となります。

正当事由の考慮要素を上で見てきました。正当事由が明らかに認められないケースでは、どれだけ立退料を支払ったとしても裁判では明渡しが認められないため、多額の立退料を請求することも可能です。

しかし、正当事由が認められそうなケースであれば、立退料の支払いがなくても裁判で立ち退きが認められてしまう可能性があるため、請求できる立退料も低額となってしまいます。

このように、立退料の金額を見積もるにあたっては、正当事由が認められるかどうかの見通しが不可欠となります。

このほか、立ち退くとなれば移転先を見つける必要があり、移転するとどの程度の費用がかかるか、という視点も重要であると考えられます。

弁護士費用

着手金:22万円~

報酬:経済的利益の22%~

※ 個別のご事情をお聞きした上で報酬額を決定しますので、上記は目安の金額となります。